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退職を申し出てもすんなりと承諾されない、ということがあります。
転職エージェントdoda(デューダ)が調査した結果、およそ半数以上の割合で退職の意思を伝えた際に引き止められたと答えました。
>>退職希望者を会社は引き止めるべきか、送り出すべきか【退職理由・交渉のホンネ】
会社から引き止めがあったら、退職を思い直すという人もいるかと思います。
しかし、すでに次の就職先が決まっていたり、結婚や妊娠、転居や家族の介護などの家庭の事情があったりと、やむを得ない場合もあるでしょう。
中には、何が何でも会社を辞めたい・辞めるという強い決意を持っている人もいるはずです。
退職をしたいのに会社から引き止められた場合はどうしたら良いのか、その疑問にせまります。
なぜ退職を引き止めるのか
退職を希望している社員をなぜ引き止めるのか、もちろん辞めてもらっては困るからです。
社員が辞めれば、会社にも上司にも少なからず影響が出ます。
とくに規模の小さい、少人数で経営しているような会社であればなおさらです。
会社が引き止めを行う理由は以下の5つ。
- 会社への影響
- 上司への影響
- 本人への影響
- 同僚への影響
- 取引先への影響
ここでは、なぜ会社は労働者の退職を引き止めるのか、その理由をみていきましょう。
会社への影響
例えば、それまで5人で進めていた仕事があるとします。
1人抜けて4人で仕事をするとなった場合、単純に計算すると1人あたりの負担が1.25倍になります
しかし、5人の時点でいっぱいいっぱいだったとしたら、4人では仕事が満足にできなくなるでしょう。
場合によっては、負担が増えたことで残った4人も仕事に対して不満を持ち、1人、また1人と辞めてしまうかもしれません。
辞める人がプロジェクトリーダーなど重要なポジションについている場合も、会社にとって大きな痛手です。
「これまで長い時間とお金をかけて育ててきた」という思いもあります。
直接的な理由以外にも、会社が退職希望者を引き止める場合があります。
それは離職率です。
ブラック企業の特徴として、離職率の高さがよく挙げられます。
人が辞めやすい=ブラック企業、というイメージが世間的に広がっているのです。
今後の人材確保にも影響が出るかもしれない、そんな恐れから退職を引き止める可能性もあります。
上司への影響
会社だけでなく、直属の上司も引き止めをするでしょう。
上司は会社から組織運営を任されていて、部下の管理もその1つです。
部下が辞めたら上司に問題があるのではないか、会社からそう思われてしまう可能性も無いとは言い切れないのです。
上司の中でも、組織運営をする中で様々なプランがあります。
その中から1人でも辞めると、せっかく考えていたプランが台無しになってしまうこともあるでしょう。
部下が1人辞めただけでも、上司への影響は少なくないということです。
本人への影響
「こんなことで辞めるなんて、この先やっていけないぞ」
「すぐ辞めるような人間は、転職でも苦労するぞ」
こんなことを言って、退職を引き止めようとする場合もあるでしょう。
あなたのことを考えて、そんな風に言われるとほだされてしまう人もいるかもしれません。
しかし、この言葉を本当に信じて良いのでしょうか?
上で書いた通り、人が辞めれば会社にも上司にも少なからず悪い影響が出ます。
その理由を隠すために建前で、「あなたのために言ってるんだよ」と言っている可能性もあるのです。
普段、会社や上司はどのように自分を見ていたか、日々かけられていた言葉に思いやりがあったか、思い返してみましょう。
本当に自分のことを考えているのであれば、普段からそれが言動に表れていたはずです。
同僚への影響
「同僚のやる気が下がる」「同僚に迷惑がかかる」
このような理由で同僚への影響を理由に退職を引き止められることもあるでしょう。
誰もが、会社に対して大なり小なり不満を抱えながら勤めているもの。
そのような方々にとって、同僚が退職するということは1つの契機になります。
「あの人も辞めるんだ、やはりこの会社は良くないんだ」
「自分も辞めたい、ちがう仕事を探したい」
同僚の退職により、こういったマイナスの意識が生まれます。
また、同僚が退職するという大きな変化により、強い不安や焦燥感を感じる方もいます。
自分の業務が増えたり変わったりすることへの不安や、会社が衰退しているように感じて生まれる不安。
つまり「会社を辞める」という意思は伝染するのです。
また、もしも退職者の方が、より好条件での転職を決めて晴れやかに会社を去っていったら、残された同僚はそれに続きたいと考えるでしょう。
連鎖的に社員が辞めてしまったり、もしくは不満や不安を増大させたりするため、会社は退職者が出ることを極力防ぎたいのです。
取引先への影響
担当が変わる、ということは取引先にとって大きな不安要素です。
信頼していた相手がいなくなることで、これまでどおりの仕事ができなくなるのではないかと考えます。
また、担当を強く信頼し「この人だからこそ」と任せていた仕事もあるでしょう。
担当を変えることで、そういった仕事を失注してしまう危険性もあります。
そして実際、仕事を引き継いだ後のタイミングにはミスが起きやすいもの。
慣れない仕事であることや、引き継ぎの漏れから失敗が生まれますので、取引先は担当変更を嫌がるのです。
取引先によってルールや付き合い方があり、それに合わせたノウハウを完全に共有するのが難しいという問題もあります。
実務で学んだ経験や、お互いに浸透しきってしまった暗黙のルール、取引相手の癖や好みなど、文章や言葉で伝えきれないことは数多く存在します。
これまで時間をかけて培ってきた信頼や経験が、場合によっては一気に損なわれてしまうかもしれない。
会社が退職希望者を引き止める理由の中でも、取引先への影響は確実に大きな理由の1つでしょう。
引き止めを避けるためには
退職の引き止めを避けるためには、下記の2つに注意しましょう。
- 退職を申し出るタイミング
- 退職の理由
ここでは、退職の引き止めを避けるためのポイントをご紹介します。
退職を申し出るタイミング
引き止めをされずにスムーズに退職するためには、退職を申し出るタイミングと退職理由が大事。
タイミングは「繁忙期を避けて退職日よりも2ヶ月前」です。
人手がギリギリの時期に退職を申し出れば、「こんなときに何考えてるんだ!」と怒鳴られてしまいます。
人が辞めるどころか、もっと人を増やしたいところでしょう。
また、多くの会社では「退職は2ヶ月前に申し出ること」のような就業規則を設けていることも。
民法では、2週間前に会社に申告していれば退職できると定められています。
しかし引き継ぎなどもあるので、無用なトラブルを避ける意味で就業規則に従うのが無難だと言えるでしょう。
退職の理由
退職理由は、ネガティブなことは言わず前向きな内容が鉄則です。
前向きな内容は、次のような感じになります。
- 本当にやりたいことが見つかった
- 新しい挑戦をしてみたくなった
- 色々な会社で経験を積みたい
前向きかつ、今の会社では実現が難しいということをはっきり伝えましょう。
会社に不満がある場合、例えば賃金が安かったり休日が少ないなどが理由でも、馬鹿正直に話す必要はありません。
不満を理由にあげると、会社側はそれを改善することを条件に退職を引き止めてきます。
「給料をあげよう」「昇進させよう」「部署異動させよう」そんな言葉には注意。
待遇が改善されるならと退職を取りやめても、実際に残ってみたら一向に改善されないということもあります。
会社に掛け合っても、「今は時期が悪いから」「そのうちね」とうやむやにされてしまったら目も当てられません。
退職を引き止められて万が一応じてしまったら?
では、会社からの引き止めに応じてしまった場合はどうなるのでしょうか?
結果から申し上げると、以下の3つの事態が想定されます。
- 退職したい旨が周りに知られてしまう
- 次に退職したいと言いづらくなる
- 辞めるタイミングを見逃してしまう
ここでは、退職の引き止めに応じてしまった場合に生じる事態について考えてみましょう。
退職したい旨が周りに知られてしまう
退職をしたいと思っていることが周りに伝わると、気まずい思いをすることもあります。
特に、直属の上司や仕事上のパートナーからは「いろいろと面倒を見てやったのに」「うまく付き合えていると思っていたのに」と思われてしまうこともあるでしょう。
これまで優しかったのになんだかよそよそしく感じる、もしくは妙に優しくされることが気になる、ということも。
働いていて嫌な思いをするかもしれません。
次に退職したいと言いづらくなる
- 怖い上司に凄まれて退職を撤回してしまった
- お世話になった上司に頼み込まれてノーとは言えなかった
- 現職にも良いところがあるかもしれないと考え直した
こういった理由で退職を撤回した場合、もう一度「退職したい」と言えるでしょうか。
もし再び退職の話をしたとしたら、また同じような目に遭う可能性が高いため、一度目に言うときよりもはるかに憂鬱な気持ちになるでしょう。
さらに「またその話か」という顔をされるのも辛いものです。
結果、一度折れてしまうとなかなか次に言い出せなくなってしまいます。
辞めるタイミングを見逃してしまう
引き止めに応じてしまうと、辞めるタイミングを見逃してしまいます。
会社からの引き止めに応じて、また頑張りはじめるのも1つの道です。
しかし、何か会社を辞めたい理由があったのなら、結局はまた退職したいという意思が生まれるのではないでしょうか。
働くうちに、改めて「やっぱり辞めたい」と思っても、状況が変わり退職を言い出しづらいポジションで働いている可能性もあります。
一度逃したタイミングはなかなか巡ってこないかもしれません。
こんなことを言われたら
中には、こんなことを言われて引き止められることもあるでしょう。
- 会社に必要だ
- 後任が見つかるまで
- 訴えるぞ!
- 無責任なことしないでよ
- もう辞めちゃうの?
こんなことを言われたら・・・、ケース別に解説します。
「君は会社に必要な存在なんだよ」
人から必要とされると、どうしても心が動きがちです。
しかし、自分が退職を希望する理由は、果たして人から必要とされたかったからでしょうか?
今の待遇に不満があったり、もっと挑戦したいことがあったりと、具体的な理由があるのではないでしょうか。
人から必要とされても、結局都合の良い人扱いされて終わることも多いです。
しっかりと自分を持ちましょう。
「後任が見つかるまで待ってよ」
会社を辞めるにしても、引き継ぎなど辞めたあとのことを考慮するのも社会人としての責任です。
しかし、後任者を採用するまで待つ義理は無いでしょう。
人手不足は社員個人の責任ではなく、会社側の責任です。
退職する日にちを具体的に伝えて、決意が固まっているという意志は示しておきましょう。
「訴えるぞ!」
基本的に、この手の発言は無視して良いかと思います。
社員1人が辞めたところで、発生する損害もさほど大きくないことがほとんどです。
裁判の手間を考えても、実際に訴訟にまで発展するというのは現実的ではありません。
まれに、特定の立場の人間が辞めてしまったことで大きな仕事が丸々なくなってしまった、というときに訴訟される可能性はあります。
実際に賠償金の支払いを命じられたケースもあるので、自分が辞めた場合の影響がどのくらいかは考えておくと良いです。
「無責任なことしないでよ」
退職をするとき、会社や周りに「申し訳ない」と感じる方もいると思います。
仕事を誰かに残すことや、これまで自分のために指導をしてもらったことを考え、そういった気持ちが芽生えることは当然です。
しかし、退職すること自体はまったく悪いことではなく、あなたが責任を感じる必要は一切ありません。
もし退職することに罪悪感があるなら、退職までに少し期間を作り、引き継ぎをしっかりと行うと良いでしょう。
そこまですれば、会社から無責任と言われる理由は何1つなくなります。
「もう辞めちゃうの?」
「1つの会社に最低○年は勤めなければいけない」という通説、ありますよね。
会社側も、退職希望者に「もう辞めちゃうの?」と嫌味を言ってくることもあるでしょう。
しかし、最近では社会での転職に対するイメージも変わり、自分に合った仕事を探すことや、ステップアップのために転職することは珍しくないこととなりました。
「勤務歴が短いから」というだけで採用を見送られることはなかなかありません。
会社と自分の間にミスマッチがあるのならば、その会社に時間を使うよりも、ちがう会社で経験と専門性を得るほうが得策です。
勤務歴は気にせず、自分のキャリアのためにも前向きな転職を目指しましょう。
退職を引き止められた体験談・口コミ
ここでは、退職を引き止められた体験談や口コミを集めました。
退職引き止められた体験談・口コミ
https://twitter.com/nametake0123/status/1216496898594312192?s=20
「初回面談時はかなり長時間引き止められ、給与アップ、昇進などの話がメインでした。
会社動向を交えた上で、将来的な話がとても多かったです。「勤めていればこれだけ良い環境になるよ」というものですね。」
(退職の引き止め対処法より)
リーダーなのに、新入りより時給40円安い給料払われてたし、労基法違反もあるから辞めるという話になって、退職届け出したら、一転して引き止めに入って、
「時給上げるから、やめないで、お願い!」と泣きつかれているらしい— むーん (@Moon_Planet) January 16, 2020
退職の引き止めを乗り切った体験談・口コミ
「私が退職理由で「今の仕事を続ける自信がない」と話していたからか、部長は「自分ではそう思ってるかもしれないが、周りから見たらそうではない」「お前に期待している!」という話しをしてくれました。
部長からの初めて温かい言葉に気持ちが揺れてしまいそうになりましたが、このような引き止め工作はネットで予習済みだったので、「これは引き止めるためのお世辞だ」と冷静に受け止めました。」
前職を辞める時は2週間ほど引き止めに合ったが乗り切った。
自分を守るのは自分しかいない。
業者の力を借りてでも、自分で選択できることが大事。 https://t.co/MgwQwFJFHi— norm (@NorM_Alt) January 18, 2020
https://twitter.com/rinapon33322/status/1218734288977293312?s=20
実体験から退職代行の必要性を強く感じた人もいるようです。
https://twitter.com/ez__library/status/1217956356675604481?s=20
https://twitter.com/ez__library/status/1217957587485769728?s=20
やはり辞めたいのに辞められないストレスを抱えないためには、退職代行を利用した方が良さそうですね。
退職代行の体験談についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
退職を引き止められた時は退職代行を使うのもおすすめ
最後に本記事の内容を簡単にまとめておきましょう。
- 退職を引き止められるのは会社や上司などへの影響のため
- 退職の引き止めを止めるにはタイミングと理由が大切
- 何を言われても気持ちを強く持って退職しよう
- 退職を引き止められた経験がある人は多い
実は程度の差はあれど、退職を引き止められた経験のある人は多いです。
もちろん会社を辞めるのは労働者の権利なのですが、個人の力で退職が難しい場合は退職代行を利用してみるのもおすすめ。
退職代行に依頼をすれば、退職の申し出からアフターフォローまで全て丸投げすることができます。
退職を引き止められて困っている方は、退職代行の利用を検討してみてはいかがでしょうか?
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