基礎知識

普通解雇に懲戒解雇…解雇の種類・違いについて詳しく解説!

「会社から解雇される・・・」

と一言にいっても、いろいろ種類があります。

普通解雇、整理解雇、懲戒解雇に諭旨解雇・・・

これらすべて正しく理解しているでしょうか?

今回は、この4種類の解雇について詳しく解説します。

普通解雇

『普通』とついているだけあって、一般的に『解雇』はこの普通解雇であることが多いです。

労働者に何らかの問題があり、それが社会的に見ても解雇が避けられない理由にあたるとみなされると、会社側から一方的に労働契約を解除されます。

問題の例としては、能力不足や健康上の問題、職務態度の悪さなどが当てはまります。

通常、解雇をしたい場合は労働者に対して30日以上前に解雇予告をする必要があります。

解雇予告をせずに解雇した場合は、30日から実際の猶予を引いた分の解雇予告手当を支払わなければなりません。

10日前に解雇を言い渡された場合、20日分の解雇予告手当

整理解雇

いわゆるリストラです。

ほかの解雇と違って、労働者になんら責任がなくても、会社の都合によって解雇されます。

会社も調子が良いときもあれば悪いときもあります。

業績が傾けば社員を養っていくことが難しくなり、どうしても人員削減をしなければならないこともあるでしょう。

その対策の一つとして行われるのがこの整理解雇です。

しかし、そう簡単に労働者のクビは切れません。

整理解雇も、会社を存続させるうえでの最後の手段とされています。

整理解雇までいくには、次のような条件を満たす必要があるんです。

  • 倒産などの危機に直面している
  • 役員報酬の削減など企業努力をしている
  • 対象者を公平かつ合理的に選んでいる
  • 対象者に対して納得のできる説明をしている

とにかく労働者の人件費以外のコストを削れるだけ削って、それでも危機が回避できないときにやむを得ず行われるのが整理解雇です。

懲戒解雇

会社が従業員に対して行う懲戒処分の中でも、最悪のケースとなります。

通常、解雇する場合に行われる30日以上前の予告もなく、それに対する予告手当もありません。

中でも労働者にとって痛いのは、経歴にキズが残ってしまう点です。

一部の業界では、懲戒解雇を受けた者の情報が共有され、同じ業界内で再就職することが厳しくなることもあります。

これまで培ってきたキャリアがすべて無駄になってしまい、今後の人生に大きな影響を及ぼすことは避けられないでしょう。

ただし、それ相応の条件が当てはまらなければ懲戒解雇も認められません。

この条件というのも会社の判断によるものではなく、社会的に見て適当かどうかが焦点になります。

懲戒解雇された者が不当だと思えば会社に足して訴訟を起こすことができ、実際に懲戒解雇が無効となったケースもあります。

懲戒解雇となる要件

犯罪を犯した

犯罪を犯せば、多かれ少なかれ会社に迷惑をかけることになります。

会社内で行った犯罪は直接的なダメージも大きく、懲戒解雇が免れないケースも多いです。

例えば、経理担当が会社のお金を横領していた場合などは、ほとんどの場合は懲戒解雇となります。

会社の外で犯罪を犯した場合でも、会社の名誉を著しく傷つけたとみなされれば懲戒解雇されます。

ただし、会社が労働者の私生活にまで関与するべきではないという点から、社外での犯罪に関しては前科の有無も考慮されることがあります。

無断欠勤が続いた

長期的に無断欠勤が続くと、まずは会社側から注意を受け改善を要求されます。

ここで改善が見られればいいのですが、再三注意をしてもなおらないようであれば、懲戒解雇されてしまうでしょう。

どのくらいが長期的なのかという点ですが、厚生労働省の通達では2週間とされています。

経歴詐称

採用時に学歴や資格、過去の病気やケガなど嘘をついていると、会社に対する背信行為とみなされ懲戒解雇となる場合があります。

学歴詐称と聞くと、一般的に学歴を高く偽るというのをイメージすると思います。

しかし、逆に『大卒なのに高卒と偽った』など低く偽った場合でも懲戒解雇になってしまう危険があります。

経歴というのは、その人がどういった人間なのか、どういった仕事を任せるべきなのか、を考えるうえで重要な情報です。

経歴詐称は、偽ることで会社側に混乱を招く行為として、懲戒解雇の要件に当てはまります。

社内での迷惑行為

ハラスメントや酒気帯びなどは一発で解雇とはならないものの、再三の注意にもかかわらず改善がみられない場合は懲戒解雇となる可能性があります。

懲戒解雇にならないまでも、何かしらの処分や指導をされることが多いので注意しましょう。

とくにハラスメントは、何がハラスメントにあたるのかわからない人も多いと思います。

昔は許されていたことでも今では重大なハラスメント行為とみなされるケースも多いです。

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諭旨解雇

懲戒処分の一つで、下の懲戒解雇の一つ手前です。

従業員に重大な問題があり、社会的に見ても懲戒解雇されてもおかしくない場合でも、一方的に解雇を告げずに納得をしてもらったうえで解雇します。

どちらにせよ解雇は免れず、諭旨解雇を拒否した場合は自動的に懲戒解雇となってしまう会社も少なくないので注意しましょう。

解雇されたら退職金はもらえる?

会社を辞めるとなった場合、気になるのは退職金ですよね。

普通解雇・整理解雇の場合は、ほとんどの場合で退職金がしっかり支払われます。

諭旨解雇でも退職金が全額、もしくは一部支払われるという会社も多いです。

ただし、懲戒解雇だけは退職金が全く支払われないというケースもめずらしくありません。

懲戒解雇だからといって必ずしも退職金がないわけではありませんが、就業規則などで不支給の規定がある場合もあるので注意しましょう。

解雇されてしまった場合

日本において労働者の権利はかなり強く守られています。

解雇は会社の一方的な行為であり、労働者の権利を著しく阻害するものです。

条件も厳しく規定されていて、場合によってはあとからでも裁判などで無効となる場合もあります。

万が一解雇されてしまい、それに納得ができないのであれば、まずは弁護士に相談してみるといいでしょう。